わたしの名前は
オノミチコ
パプリカの事なんか
考えていたから遅刻だ
秋山先生に
またイヤミを言われる
「オノはすぐ人のせいにする」
人ではなくパプリカだ
なんて思っていたら
目の前に 本当に赤い塊があった
「オノさん 林檎あげる」
私服の美少女がいた
土さんだった
東條 土(つち)
おそらくうちの学校で いやこの辺りで
一番の美人である
しかし 男子にも女子にも人気がない
あまりに美人すぎるのか
人を寄せ付けない
みんな怖がる
男子は隠れて
「コンチータ」と呼んでいた
あと学校をよく休む(←これが一番良くない)
だけど先生は怒らない
土さんのお家が少し
変わっているせいだ
みんなは「緑の家」と呼んでいた
土さんの家は所謂
「げいじゅつか」の
家でお母さんはその世界で
少し有名な人だ
怖い人形を作っている
そのせいなのか知らないけど
土さんの家には
真夜中に救急車がよく来る
「土さん文化祭行かないの」
「気が向いたら行く さよなら」
土さんは颯爽と学校と反対に歩いて行く
良く見ると彼女の
服には葉っぱが着いていた
土さんの家の中はどうなっているんだろう
あとなんで 土さん
美術部に
入らなかったんだろう
土さんは ロビーの大関先輩の絵を
いつも1人で見ていた
逆に 土さんが美術の時間に描いた
油絵を
大関先輩が
見ていた事もあった
不思議な美少女は
文化祭に来ないでどっか行ってしまう
わたしの空想の世界では
土さんは 今から
図書館に行って
ヴィトゲンなんちゃら みたいな
難しい名前の人の本を読む
想像を家から始めてよければ
彼女は目覚める
そして本にはすぐに飽きて
駅に行く
適当に来た電車 に乗る
終点まで行く
何故かそこから
廃線 になる
レールを歩く(やはり裸足)
そして深い森に入って行く
その森に林檎の木がある
その林檎を食べて
また眠りに入ってしまう
不思議な美少女だと
こんな陳皮な空想でも絵になる
それが わたしだと
なんだこの違いは
本当は 土さんは
ブックオフで漫画を立ち読み
してるかもしれないじゃん
(休みの日のわたしだ)
わたしは最後の坂を登り
ようやく学校に着いた
わたしは 土さんから 林檎を貰った
手にそれを持っていた
秋山先生には これのせいだと言おう
正門に男の先生が一人立っていた
ティーちゃだった
首にむち打ちの時にする
なんちゃら を
巻いていた
あとがき
東條 土も他のキャラクター同様
こんなキャラがいたらおもしろいなーって
気持ちだった 最初は小さい始まりだったりする