わたしの名前は
オノミチコ
ミユキが今月で引っ越してしまう
やっぱり あの消しゴムは
返すべきだろうか
盾矢ミユキ
O型
蠍座
ダンス部
派手だしオシャレ
友達が多い
わたしもその中の一人だと
自身をもって言えない
最近は廊下で会って
会釈する程度だ
ミユキはいつも人に囲まれている
昔はよく一緒に遊んだ
2人だけだった
ミユキは小学校の2年の時に
わたしのクラスに越してきた
ミユキは転校初日に
消しゴムを忘れた
席は離れていたけど
だれに借りたらいいのか
きょろきょろしてるミユキを
わたしは見ていた
わたしの消しゴムは
ちょうど2個に割れていたから
ミユキにそれをあげた
ミユキは次の日に
わざわざ新品の消しゴム買ってきて
わたしに返してきた
断ったけど
「お願い 使って」
と言われたので
ありがたくもらった
でも
わたしにはもったいなくて
使う事ができなかった
たがらその消しゴムは
今でも家の机の引き出しの中に
大切にしまってある
ミユキが越してしまうという
話をわたしは人伝てに聞いた
それがものすごく寂しかったけど
そんなものなのかもと納得した
小3のサマースクールで
一緒に見た星空を
ミユキはもう覚えていないだろう
それでもわたしは最後に
ミユキに何かプレゼントを
渡そうと思って
ミユキになにがいいか直接
聞きに行く事にした
そんな風にしかもう
2人で話す口実を見つけられなかった
ミユキはダンス部にいなかった
部員の子がたぶん屋上にいると
教えてくれた
ミユキは屋上で一人で踊ってた
青い空を背景にして踊っていた
しばらくわたしは
用件を忘れて
ミユキと青い空に
見とれていた
そしてわたしは
ミユキから
ほしいものきいた
あとがき
この辺りからだんだん絵に頼りはじめている
ミユキのキャラを作るのに 結構時間がかかった
前編 中編 後編 で5日ぐらいの話で終わる
はずだったが そのままいまでも出番を
失っている