今朝の夢の中で何故か私はOLで
仕事をサボってトイレで寝よる
今日は2階のトイレやけん、
「髪の長いタケダ」さんが
呼びにくるはず
3階のときは 「獅子座の彼女」だ
「髪の長いタケダさん」は
「大丈夫?調子悪いん?」
と聞いてくるが
「獅子座の彼女」やと
「いつまで寝てんの⁈」
とゆうて迎えにくる
私は夢の中で
タケダさんなんて会った事も無い人やと
わかっとる
だいたい「獅子座の彼女」は
今通っている 今井中学の サツキの事やし
私はまだ中学生になったばっかしやし
そして今は文化祭の日の学校に
向かって歩きよる
それにしても
人生で初めて遅刻する日が
文化祭なんて運が悪い
おまけに名札も忘れとる
ぜったい 樋口先生に何かゆわれる
昨夜 お風呂でのぼせた私は
倒れて その時首のあたりをぶつけてしもた
とっさに「お父さん」と叫んだのは
近くをたまたまお父さんが通っただけや
お父さんは明日
朝起きて辛そうなら
学校にいかせんでええと
お母さんにゆってて
お母さんはやっと起きてきた私に
朝ごはんは
ピザトーストがええ? か
ごはんに味噌汁に納豆がええ? か
ときいてきた
私が「他は?」
とゆうたのを聞いて
これは大丈夫やーと思ったみたいや
さらに
「じゃあ 両方」
と答える私に向かって
「どうするん? 今から学校に行くん?」
と聞いてきた
「え!今からって 今何時なん?」
あーあ 小学校から一度も遅刻も休んだ事も
ないのにな なんかせつなくなる
あの人も完全に遅刻やろうか
めっちゃ走っとる
私なら
会社に着いたら疲れて
お昼を食べた後
強烈に眠くて寝てしまうな
きっとおやつの時間まで寝とる
あの人の今日のこれからが
私の夢に入って来たんやろうか
私は入学に合わせて三月に引っ越してきた
だから1人黒板で自己紹介みたいなんは、ない
ただみんな知らんだけ
でも知り合いがおらん私に
みんなよく話しかけてくれた
その中に松永君がおった
夏休み前に松永君が私と付き合いたいってゆうとる
ーって泉君にゆわれた
意味がわからんし
私が断ったら
「なんで松永と付き合えないの?」
とかゆうてくるし
「付き合うとか良く分からんし」
って私がゆうたら
「試しに付き合えばいいじゃん」やて
その時に
「気持ち悪いから消えろよ ちなみに
お前 なんとなく臭い」
って泉君に大声でゆうたのが
「獅子座の彼女」じゃ
サツキを「獅子座の彼女」と
呼んでいたのは サツキと
同じ小学校から来た 羽柴ちゃんや
私は羽柴ちゃんに
「サツキに獅子座の彼氏がおるからなん?」
と聞いたら
「あの子よ あの子 そうそうあれが
獅子座の子 そんな感じの意味」
と教えてもろた
「いい意味なん?」
と聞いたら
「微妙」
とゆうてた
「獅子座の彼女」とは泉君の一件以来
一緒に帰るようになっとった
でも そのせいで
わたしは
二年生に目をつけられた
帰り道で
女子に人気がある3年生男子達が
私達に気安く話しかけていたからやって
訳わからんー
引っ越してきた私は学校で
だれが人気がある 無いやなんて知らんしー
そもそも一年生は知らんやん
三年生男子は怖いってイメージしかないし
三年生男子に声かけたんは
「獅子座の彼女」や
わたしはただその友人だっただけやー
とばっちりやん
「獅子座の彼女」がたまたま休みの日に
私は2年に呼び出された
その時は偶然 屋上にいた
ダンス部の人(後からわかった)に
助けてもろた
お礼をゆおう思たら名前が体操着に
書いてない
「先輩 体操着に名前書いてないですね」
「あたし 持ち物に名前かかないからなー」
「私は消しゴムにも書きますよ
落とした時すぐわかるし」
「その時 どこに 書く?」
「消しゴム本体です」
「ハハハ だよなー
ありがとう なんか 希望湧いたわ」
とゆうておらんなった
まったく意味がわからん
次の日 それを知った「獅子座の彼女」
は激怒して 私の手を引っ張って
廊下を歩き出した
私は2年の所に乗り込むのかとヒヤヒヤ
してたら どうやら三年生の教室に
向かっとる
聞いたら 3年の
お姉ちゃんに文句をゆいに行くらしい
お姉ちゃんがおるなんて
そん時初めて知った
「なんでお姉ちゃんに言いにいくん?」
って聞いたら
「だいたいこういった事はお姉ちゃんのせいだ」
そう言ーよった
そしたらちょうど廊下で2年のグループに
取っ捕まった
「どこ行くの?」
意地悪にゆうー
「3年生の所」
「獅子座の彼女」がゆう
「1年がなんの用?」
意地悪がさらに意地悪にゆう
ついにカーッとなった
「獅子座の彼女」が叫んだ
「学校でお姉ちゃんに会いに行ったらいけないっていう決まりでもあるの?!!」
あまりにデカイ声だったせいかそのあと
しばらく廊下が静まり返っていた
そして 階段を誰かが降りてくる
他に足音がせんから
先生かと思ったら違った
「あー! 岩谷先輩ー! この子達なんか
先輩達のところに行こうとしてるんで」
「あんたも達うるさいけどサツキが一番うるさい」
「お姉ちゃんに言われたくないわー」
「え!」
放課後 2年生が謝りにきた
「獅子座の彼女」のお姉さんが
仲間を連れてそこにやってきたからなのか
しらんけど
何故か人数が増えとるやん
2年はぼろぼろ泣きながら
しきりに髪を触っとる
私達は握手をさせられて別れた
早く手を洗いたかった
次の日から急にその2年達が
フレンドリーに接してきよった
その笑顔が最高気持ち悪かった
気持ち悪かったといえば
体育祭の先輩のハチマキの時も気持ち悪かった
うちの学校には体育祭の時に
好きな人のハチマキを貰う風習があるらしい
渡した人は回収する時に
無くしました みたいなこと言わんと
いけんけん 変な風習やわ
あれはたしか
セリザワちゃんが好きな三年生の
先輩からハチマキを貰う為に
代わりに私が貰いに行ったやつだ
セリザワちゃんがその先輩の
何が好きなのかは わからんのん
小学校の時から好きやったらしい
好みやなんて人それぞれやし
でも私は 可愛い感じの人が
好きやから あの先輩はありえん
それでも わたしはセリザワちゃんの為に
ハチマキを貰いに行った
「ハチマキをもらえませんか」
「なんで欲しいの?」
「‥欲しがってる子がおるから」
「誰が欲しがってるの?
「… … 」
私は怖なって引き返した
セリザワちゃんに説明したら
セリザワちゃんは恥ずかしいから自分だとは
ゆえない 私が欲しいからってゆうて
貰って来てやーとゆう
ほんま わけわからん
でも引き受けてしまったから
私はまた先輩のところに行った
今度は私がほしいからってゆうた
「最初からそう言えばいいじゃん」
って怒られた
私は釈然としない気分で校舎に戻った
私はその時ハチマキに字が書いて
ある事に気がついた
文字を読んでたらちょっぽしせつななった
そのときロビーにあった
一枚の絵を妙に覚えとる
あー それにしても首が痛い
でもやっと学校に着いた
あら 先生はもっと首が痛そうやわー
何先生やった?
私は遅刻の理由と
名札を付けてないから 名前と
学年を 先生にゆうた
「先生は首どうしたんですか?」
余計な事を聞いてしまう
「車でぶつけられたんだ」
「怖いですね あれ 先生
そこにある林檎は先生のですか?」
「あー 、そうだ すまんが 三年五組の
オノミチコに
これを持ってくれ
樋口先生には私から事情を
話しとくから」
先生は林檎を私に渡した
三年生の教室に行くのは
ドキドキするが文化祭やし
でも林檎がなんや恥ずかしい
私は林檎を鞄にしまって
三年生の階に上がっていった
3年生はやる事が派手だ
知ってる先輩がいた
「先輩写真とりましょうか?
あ オノミチコさんて方どこにいます?」
「オノさんなら たぶん美術部の部室よーこの奥」
カッコいい先輩だなと思ったら女子だった
ずいぶん背ー大っきいな
美術部の部室にはヤンキーの先輩が1人いた
どうみても絵を見てる感じやなかった
「オノさんて方知りませんか?」
「ここにいれば そのうち来るよ」
私はなんだか気まずくなったので
ゆっくり絵を見て歩いた
緊張して なんや絵よりも下文字を見てた
「…あれ これみんな オノさんの
絵なんですね」
「オノさんしかいないから美術部」
「まだここにいる? これ
オノさん来たら渡してもらっていい?
椅子のところに落ちてましたって
可愛い女の子から渡されたって」
「ははは あの オノさんてどんな方ですか?」
「俺 、違った 私と似て
あまり表情が変わらなくて
何考えてるか わからない感じの子かな
笑えばたぶん可愛い」
そうゆうとヤンキーの先輩は
私にリストバンドをわたして
廊下に出ていってしもた
そしたら廊下からキャーと
悲鳴や笑い声が聞こえてきた
その中に
「獅子座の彼女」の声が混じってた
わたしに聞こえてきよる
知っとる笑い声がしよる
わたしはやっと安心して
今度は飾ってある絵をちゃんと見れた
わたしはオノさんを待つのをやめて
部室を出る事にした
サツキといろいろな展示を見ながら
職員室に落し物を届けに行く事にした
わたしは真っ白な芳名帳に日付と感想と
名前を書いた
おわり
あとがき
第2話で卒業した美術部の
部長をああいう風に描いてしまってから
ミチコがそれにどうやって近づいていくか
というストーリーを考えていたが
自分が日記をはじめた時期がもう文化祭の
時期の直前だった事が別な道を進ませた
(なぜかリアルタイムの時間を気にしていた)
4話ぐらい使って文化祭当日の
ミチコやミユキを描く予定だったのが
第10話から第14話まで 5話使って
文化祭の午前中しか書けなかった
この新しい19話もその5話と
並行している話である
この あとミチコの喜ぶ声が
するまでの話である
職員室に林檎とリストバンドを
持って行ったカズエは
この日か この次の日に
美術部に入る事を決める
東條土も同じである
ミチコオノ日記は
そのまま 東條土の話になり
引っ越したミユキの話になった
だからついにミチコは描かれなかった
そういう意味でミチコオノ日記は
失敗した日記だった
ミチコの日記にしてしまった事で
当然ミチコが話をする訳で
ナレーションがいなくなる
引いた視点でミチコを描けなくなる
スピンオフで ミチコを文字から
離したとき 自分は本当は
この日 オノミチコは~
といった文体の話ならコンパクトに
話を量産ができたんだろうと思った
あと中学生という縛りと
カラーのアナログ絵が縛りになった
note の『月』はそれを
踏まえた上で あらかじめ苦戦せずに
伸び伸びと話を作れるようにした
絵もキャラの描写と風景の
説明的な線画だけで 時間的にかからない
でも今更だけど
おかげでミチコオノ日記
は自分で言うのもおかしいけどとっても
変なものになったから良かった
キチンとレシピ通りに
一度も作れなかったような気分だ
今回saraさんの手によって
とても 完成された読み物の
様に並べてもらえた
それに合わせてこの話を
出せれば良かったけど
それもまた上手く出来なかった
ミチコは最後まで意味不明だし
ふらふらしている
目が合うと こっちの思考まで
溶けてしまいそうなので
この辺でやめておきます
最後まで読んでくれてありがとう
ミチコ オノ